「雨宿りする場所」

スプラス元マネージャー 遠藤実咲さん

2024.08.01

スプラス青葉台(以降スプラス)では、広々として作業しやすい環境があり、定期的にイベントや部活などの活動も行われて、会員同士やスタッフとの交流も盛んになっています。

今回は、スプラスで働くスタッフにインタビューしました。

スタッフの目線から、スプラスがどんな場所なのか紐解いていけたらと思います。

スプラス元マネージャー 遠藤実咲さん

 

・自己紹介をお願いします。

はじまり商店街の元社員です。スプラス青葉台の立ち上げから、2024年4月までマネージャーを担当していました。出身は神奈川県相模原市で、現在は青葉台から徒歩15分の場所に住んでいます。

大学では、現代福祉の勉強をしていました。授業以外の時間では、ボランティアとアカペラサークルの活動に励んでいました。

好きなことは、自然豊かな場所へ行くこと、コンテンポラリーな音楽を聴くことと、陶芸です。

 

・スプラスで働くことになった経緯を教えてください。

大学4年生の時にコロナ禍で、就活に身が入らないという時期がありました。内定をもらった会社もありましたが、決めきれずにだらだらと時間が過ぎていくばかりで焦りを感じていました。私は、いわゆる就活ツールが苦手で、SNSで情報収集していました。そんなある日、ハッシュタグなどを頼りに探していると、地域について発信していた、『はじまり商店街』のアカウントを見つけて、応募しました。大学4年生の1月でした。

面接の時点で、SPRAS専属になることは決まっていました。元々場づくりにも興味があり、好きなことを仕事で活かしたいと思っていたので、大きい会社よりも小さな会社で全てを見てみたかったのです。当時はじまり商店街は3期目で、私を含めて3人が初めての社員として2021年4月に入社しました。

・SPRASで働いていて、特に印象に残っていることを教えてください。

マネージャーのポジションにいると、場や地域を俯瞰し、ななめ上の視点で考えていかないといけない場面と、スプラスのユーザーの皆さんや地域に暮らす方々の目線でものごとを考える場面、それぞれをバランス良くこなしていかなければならないことに、正直自分を消耗してしまう瞬間もたくさんありました。しかし、2022年の12月頃に、地元を離れて青葉台に引っ越してきました。それから、まちにこんな機能があればうれしいななど、より住民視点でまちを見ることができるようになりました。そこで初めて“中立になる”という経験ができたことが自分にとっても良かったです。“作る側”と、“住民側”の両方の気持ちを敏感に感じられるようになりました。

青葉台の人たちは、感度が高くて、本物か偽物かすぐに気づく方が多いので、ちゃんとそのものの背景にストーリーがあって、初めて受け入れてもらえます。それを感じるたびに、私自身もいいものを届けたいと思い、身を投じてマネージャーを務めることができました。

 

・スプラスで働いていて、大変だったことを教えてください。

運営チームと現場にいるスタッフや会員さんと、その狭間にいることでの葛藤がたくさんありました。会員さんや現場スタッフの中から、「こんなことをしてみたい!」とワクワクした声がたくさん生まれていく中で、運営側にはそれがいいと思ってくれる人と、効率を重視する人、内容よりも量を重視する人などさまざまな意見を持った方たちがいるので、自分の立ち位置の捉え方が難しかったです。

まちづくりの経験値も、信頼もないから、めげずに食らいついていくのは大変でしたが、ありがたいことに社外の方たちや東急さん、会員さんが暖かく見守ってくださる環境で、みなさん本当に優しくて救われました。今思うと、ボランティアやアカペラサークルの経験が今に役立っているような気がします。

 

・スプラスを一言で表現するとなんですか?

雨宿りする場所。もう少しわかりやすく言うと、バス停のような目印となる場所です。

雨が降ったからとりあえずここで休めばいいかと立ち寄って、雨が止んで時間になったらお家に帰ろうというような、気軽にふらっと立ち寄れる場所だと思っています。

 

・スプラスで挑戦してみてよかったエピソードがあれば教えてください。

スプラスがはじまった当初はトークイベントをしょっちゅう企画していて、ゲスト50人の前で司会をさせてもらいましたが、何度も数こなしても、質問やコメントがパッと出てこなくて頭が真っ白になって、ファシリテーターをするのが嫌になったという経験があります(笑)

その時は毎月めげずにチャレンジしていましたが、何回やっても身体から拒絶反応が出てしまうので、別の形のイベントしたり、司会は得意な人にお願いしてみたり、振り切るようになりました。

何事もチャレンジしてみないと、自分に合ってるとか、向いてないとか、わからないんだなと気付かされる出来事でした。

 

・あなたにとって青葉台はどんな街でしょうか。好きなところをお聞かせください。

関わりはじめてまだたった3年なので、分かりきってない部分はもちろんありますが、綺麗に見えるけど、泥臭くこのまちをどうにか楽しく過ごしたい、よくしたい!と思っている人が実はたくさんいるというところです。駅前よりも、奥の道に入っていくと面白いことをしている人がたくさんいます。子育てが落ち着いた40-50代の方たちは若い感性を持っていて、青葉台のまちをよくしようと元気に取り組まれています。青葉台のそんなところが好きです。

 

・スプラスは今後どんな場所になったらいいと思いますか?

きたら誰かしらいる、というその気軽さを会員さんや、元気な若者にも感じてもらえる場所になればいいなと思っています。休みの日、暇な時に、とりあえず行ってみよう!と思える場所だといいですね。

スプラスの元マネージャーの遠藤実咲さんにお話を伺いました。

改めて、3年間マネージャーお疲れ様でした!

たくさんの苦悩を乗り越えながら、スプラスという場所を見事に築きあげて、マネージャーを3年間勤め上げた遠藤さんは、会員さんやスタッフからも頼りにされる存在です。遠藤さんの今後の活躍に目が離せません!

そして、5月から新しいマネージャーにバトンタッチして、これからのスプラスもますます楽しみです。