「住む街であり、働く街である青葉台。住民として、ビジネスマンとしての視点」

plan-A 相澤 毅さん

2021.11.10

ビジネスマンから見た青葉台とは

新たな街づくりが始まりつつある、東急田園都市線の青葉台駅周辺。これまでの自然と人間の調和を軸にしつつも、「暮らし」と「働く」が少しずつ対となり、暮らしている人たちの生活にも変化が生まれています。

青葉台郵便局の空き区画を利用して作られた「SPRAS AOBADAI」もそんな動きの中のひとつ。青葉台駅から徒歩4分のところにある青葉台郵便局の2階にあり、ワークラウンジのほか、交流を目的としたコミュニティラウンジ、催し物を行うことができるイベントスペースなどで構成されています。

日々進化を続けている青葉台は、ビジネスマンから見るとどのような街なのでしょうか。自身が代表取締役を務める会社も自宅も青葉台という相澤毅さんにお話をお聞きしました。

 

住むなら青葉台以外考えていなかった

 

相澤さんの会社「plan-A」はプロジェクトデザインを主な事業としており、横浜市内のいくつかのプロジェクトにも関わっています。具体的には、「何かをやろうとしているけど、どうしていいかわからないモヤモヤしている人たちのやりたいことを可視化し実現すること」なのだそう。

「自分が今どこにいるのか、その先進むべき道はどちらなのか、という青写真を描いてあげるのが私たちの役割です。簡単に言うとプロジェクトを作っていく、成案させていくっていうアクションがあって、そこまでの動きを担っています。プロジェクト化されるまで、という場合もあれば、クライアントの要望に応じてプロジェクトのマネジメントまで行う場合、プロジェクト全てをプロデュースする場合もあります。そのときどきによって、立場は変わりますね」

そんな相澤さんの育ちは小田原。前職である不動産業に就いたのがきっかけで、横浜に移住したと言います。

「横浜は広大なエリアで人口も多く、一次産業から三次産業が網羅的にある。そして、東京にこんなに近いのに人の感覚がすごくオープンなんですよね。人とつながりやすいし、つながって何かを始めやすい場所だと思います。外から来た人たちを受け入れやすい土壌があるので変革も起こりやすく、成長もしやすいですね」

ただ最初から青葉台に住んでいたわけではなく、以前は大倉山だったのだそう。子どもの保育園のこと、妻の職場のことを考えると、引っ越しをするなら青葉台しかない、と考えていました。

「以前から、青葉台に友人も多かったですし、前職の不動産での営業をしていたころから青葉台の駅前の感じが好きだったんです。青葉台は緑が多いし、駅前って適度に田舎で適度に都会。それでいて、人との距離感も近すぎない。飲食店も個人経営が多くて、それぞれの性格がちゃんと感じ取れるのもいいですね。あとは、やっぱり交通の便の良さですよね。田園都市線の急行が止まるし、首都高も近いですから」

利便性だけではなく、人が心地よく生きていく上でも、青葉台はとてもいい場所だと相澤さん。相澤さんのお話から、青葉台での生活の充実ぶりがうかがえます。

「暮らしていて実感するのは等身大で生活できるということですね。自分自身の心の置き所がちゃんとある街、っていうのかな。暮らしていてストレスがないんです。それに、子育てをするには抜群の場所。大きな公園が本当にたくさんあります。もえぎの公園では真剣にザリガニを釣っている親子もいましたし、ブラックバスを釣って、見せに来てくれる子どもがいたり。住むこと、暮らすことに対するストレスがそのまま働くことに跳ね返るので、住環境は大きな資産として考えないといけないと思うんです」

 

働く場としての青葉台は?

住む環境としてとても良い青葉台。同時に、会社を経営している相澤さんにとっては、青葉台は働く場所でもあります。

「青葉台ってバスターミナルがすさまじい。交通の結節点なんですよね。他のターミナル駅もすごいんですけど、やっぱり青葉台のバスの本数はかなりの数です。これも東急さんの開発の賜物かと。面白いのがそれをどれもが廃れてないんですよ。それだけ住環境が良いということの裏返しでもあるということがあります」

ただ、コロナによってオンライン化が加速している中で、住んでいるところと働くところが融合していく状況になっているものの、「青葉台はまだ対応できてないように思う」と相澤さんは言います。

「働く場所はもっと点在すべきなんですが、青葉台周辺は全然足りていないですね。うちは4カ月の赤ちゃんがいるんですが、気軽なオンラインミーティングならともかく、イベント登壇や重要なミーティングになってくると家では難しいです。でも近所でやるとなると、テラス席のあるカフェぐらいしかない。そんな状態なので、住んでいる人たちにとって青葉台エリアで働くという選択肢がないと思います」

SPRASには“つながる場所”になってほしい

「SPRAS AOBADAI」ではワークラウンジもありますが、相澤さんは「SPRASは働く場所というより人がつながる場所になるのでは」と言います。

「青葉台は絶妙にそれぞれが良い距離感を保っているんですよね。逆に言えば、エリアの中心的な場所がないと思うんです。拠点となる場所が散らばっていて、散らばっているおかげで、青葉台でのネットワークが組めている。それはすごく良いことで、わざわざ集積させることはないのかもしれません。ただ、各拠点の人たちがつながる場所がないので、その役割をSPRASが担ってくれればいいかな」

そして、それ以上に「SPRASには青葉台というエリアを知ってもらう場所になってほしい」と言います。

「SPRASには青葉台に今まで関心がなかった人や、青葉台にちょっと住んでみようかなって思える層を掘り起こしてほしい、というのが一番大きいですね。やっぱり、何も知らない土地にいきなり住む、ということはハードルが高い。でも青葉台という場所にまずは興味を持ってもらって、イベントなどを通じて青葉台に住んでいる人たちとやりとりをして、さらに街のことを知ってもらう。そんな体験を通して『青葉台って面白そう』『住みやすそう』って思う人が増えていくといいですよね」

街の拠点としてだけではなく、青葉台を知ってもらうきっかけになってもらう場所としての役割が大きいと話す相澤さん。暮らすことと働くことがより密接になっていく中で、実際にビジネスをしている人の言葉の中に多くのこれからの青葉台へのヒントが隠されていそうです。