アフターレポート

「【アフターレポート】\SPRAS AOBADAI1周年記念イベント/スプラス感謝展」

2022.08.29

\SPRAS AOBADAI1周年記念イベント/スプラス感謝展

7/16日(土)、「SPRAS AOBADAI1周年記念イベント スプラス感謝展」が開催されました。コミュニティ・コワーキングスペースとして運営をしてきたSPRAS AOBADAI(以下、スプラス)の1年の歩み、そしてこれからを感じられる様々な企画が行われ、多くの方に足を運んでいただきました。

当日の10時~16時は会員制のスプラスを無料開放しており、会員以外の方もお試しで作業をしたり、マルシェでお買い物をすることが可能に。イベントスペースでは3つのイベントやワークショップが行われ、館内は終始賑わいを見せていました。

1年間の活動レビュー

イベントスペースにて11時から行われた活動レビューでは、スプラスの施設運営者である東急ご担当者様のお話、スプラスマネージャーの遠藤・監物による1年間の振り返り、スプラスでコミュニティビルダーとして活動する”なっさん”こと渡邊 菜摘さんのお話、そしてスプラススタッフと会員さんによる 公開ディスカッションが行われました。

東急ご担当者様からは、スプラスをつくることになった経緯やコンセプトなどについてお話がありました。「スプラス」という施設名称には、芽生えを意味する「sprout(スプラウト)」と、さまざまな人が出会うことで新しいことが生まれ、日々の暮らしや地域の方々に「プラス」になる拠点でありたい、という思いが込められているそうです。そんな思いでつくられたスプラスを実際に利用している方々は、1周年を迎えたこの場所をどのように感じているのでしょうか。

公開ディスカッションでは、スプラスマネージャーの遠藤・監物とアルバイトスタッフ、そして5名の会員さんが参加し、スプラスによる暮らしの変化や楽しみをシェアするトークが行われました。

公開ディスカッションに参加してくださった会員さんは、20代から80代まで幅広い年代で、職業や働き方も様々。大学院生の萩谷さんは、授業が全面オンラインで行われていた昨年度は毎日のようにスプラスに通っていたと言います。

萩谷さん「スプラスは会員とスタッフさんの距離が近いと感じています。僕は人と話すのが好きなので、 受付をバーカウンターのようにしてスタッフさんとよく話をさせてもらっています。

昔から青葉台に住んでいたのでまちを知った気になっていましたが、青葉台を知ろうという意欲が高くどんどんまちに詳しくなるスタッフさんとの相乗効果で、以前よりも青葉台に詳しくなりました。このまちに住んでいる若者は都内へ遊びに出てしまうことが多いのですが、自分は青葉台に詳しくなれたことで、20代半ばになって地元愛が強くなりました。」


萩谷さんのように、スタッフとコミュニケーションが取れる環境に魅力を感じている会員さんは多いようです。

矢野さん「スプラスは色々な取り組みが行われ、徐々に醸成されている場所という印象です。社員・アルバイト問わず和やかなスタッフさんばかりが集まっていて、いつ行っても心地よくコミュニケーションをとれるのがスプラスの良いところだと感じています。」

立石さん「僕は週8で通っているんじゃないかというくらいのヘビーユーザーで、スタッフさんともよく雑談をしています。個人で仕事をしているのですが、家で一人ぼっちだと溜め込んでしまうことが多く、雑談など本来日常にあるべき雑多な時間がなくなってしまうんです。だけどここに来ればそういう関わり合いを持つことができ、まちのリビングのような場所だと感じています。」

会員さんから大絶賛のスプラスアルバイトスタッフからは、この場所はどのように見えているのでしょうか。

アルバイトスタッフ「毎週水曜日の15時にコーヒータイムがあり、希望する方々にコーヒーを提供しています。普段仕事をしている時間に少し作業を中断し、皆さんでお話ししている様子を見ると、暮らしと仕事が近づいているように感じます。

職場だと専門的な話が中心になりがちな部分があると思うのですが、スプラスには新しい視点や深い知見を持った会員さんがたくさんいて色々な話ができるので、そこがすごく良いなと思っています。」

この”会員さんの幅広さ”も、利用者がスプラスに惹かれる魅力のひとつになっているようです。

瀬戸さん「スプラスに通い始めて青葉台の人たちと知り合えたというのが自分にとってはとても大きいです。それまでは子どもの学校、仕事、趣味というレベルのコミュニティしかありませんでしたが、この場所では”生活”というキーワードで繋がりが生まれている。幅広い年代の方とフラットな関係性で話ができる場というのはとても貴重だと感じています。」

 

スプラスが”生活”の一部になっている会員さんが多いのが印象的ですが、なかには驚くことに、スプラスを理由に引っ越しをした会員さんもいらっしゃいました。

山本さん「もともとは電車で30分くらいの駅から通っていましたが、青葉台は居心地がよくスプラスにも素敵なイベントが多いので、青葉台の近くに引っ越しをしました。スプラスに通い始めて住む場所が変わったというのが自分にとっての大きな変化です。私は発酵マイスターの資格を持っているので、月に1度、発酵お茶会を開催しています。私自身も会員向けイベントに参加することで趣味が広がったり、人をきっかけに新たな気付きを得ることがあり、こうやって楽しいことが芽生えていくのがスプラスの素敵なところだと思っています。」

実際に利用されている方からスプラスの魅力をたっぷり聴くことができた今回のトークセッション。マネージャーの監物が「会員限定イベントは何か始めたい・やってみたいという気持ちがあればスキルがなくてもかまわなくて、現段階でシェアしてみようという低いハードルで開催しています」と語っていた通り、トークのなかで会員さんが提案したイベントの開催が即決するという、スプラスの軽やかさと柔軟性を感じる一幕もありました。

公開ディスカッションの内容は、グラフィックレコーダーとして働くことを目標に活動している相模女子大学・西海芽生さんが素敵な記録を残してくれたので、こちらもぜひチェックしてみてください!

第6回!すぷらすローカルマルシェ

無料開放時間の10:00~16:00には、コミュニティラウンジにて地域のお店やスプラス会員さんが出店する「第6回すぷらすローカルマルシェ」が開催されました。回数を重ねるごとに出店者さんが増え第6回を迎えた今回は、パンやお弁当、お野菜に雑貨、アクセサリーなど多種多様なお店が出店し、賑わいを見せていました!

出店店舗一覧はこちら!

https://peatix.com/event/3275842/view

スプラスマルシェ常連のパン屋「D316 CASAブーランジェ」(https://www.instagram.com/d316casa/)の店主さんは、スプラスでまさかの遭遇をしたエピソードを教えてくれました。

店主さん「できたばかりの頃はスプラスのマルシェに出店すると言うと、郵便局の上にそんなところあるの?若者のところでしょ?と言われることが多かったのですが、今は『あそこね!』と通じるようになりました。

息子は知らぬ間に会員になっていて、以前のマルシェの時にばったり会ったんです。私もマルシェに出ることは特に伝えていなかったので、お互いに『何してるの?』って(笑)。コロナの影響でリモートワークになっているので、こういう場所があって助かっているみたいです。」

スプラスが青葉台の人々の日常に浸透していることを感じるエピソードですね!

会員さんの出店が多いのもスプラスマルシェの特徴。「オーストラリアプリザーブドフラワー」のアレンジメントを販売するflower iloilo(https://www.instagram.com/flower__iloilo/?hl=ja)さんは、第1回目からマルシェに参加してくださっている会員さんのお一人です。

店主さん「スプラスに出会ったのは、お花屋さんになる夢を叶えるためにどう動いていくか考えていたタイミングでした。オープニングイベントの日に偶然通りかかり、『コミュニティを育てる』というワードが目を引いて夫婦で入会しました。来年秋を目安に移動販売車を始めたいと考えているのですが、目標へ向かう過程で、マルシェという形でスプラスさんに輪を広げていただきました。マルシェではお客さんの声を直接聞くことができてすごくありがたいです。

続けているとリピーターさんも増えてきて、始めた頃から知ってくださる方がいるのは心強く感じています。会員向けイベントに参加すると会員さんとコミュニケーションをとることができ、自分のやりたいことを伝えると応援してくれる方がいっぱいいるので、頑張らなきゃ!と気が引き締まって助かっています(笑)。」

スプラスでの活動やイベントが、会員さんが夢を叶える力になっているというのはとても嬉しいですね!

イラスト雑貨を製作する「nanaco.design」さん(https://www.instagram.com/nanaco.51/)も、ご主人と共にスプラスに通い、マルシェで作品を販売してくださっています。

店主さん「先に主人が会員になっており、私のイラストを発信する場があったらいいんじゃないかとスプラスを紹介してくれました。作品販売の経験はほとんどなかったのですが、スプラスのマルシェに出させてもらうようになってから色々な作品を作り始め、先日はデザインフェスタにも出展しました。普段作業をしている場所で自分が作ったものをお披露目できるのは嬉しいです。」

この日はご主人もスプラスに足を運んでおり、親戚のお子様と共にワークショップに参加していました。

子どもたちあつまれ!手作りバッグワークショップ

マルシェが盛り上がる傍ら、イベントスペースでは14:00から15:30まで「子どもたちあつまれ!手作りバッグワークショップ」が開催されました。マネージャーの遠藤がホストとなり、横浜市立奈良小学校で「放課後キッズクラブ」として活躍されているスタッフの3名を講師としてご招待。多くのお子様連れが参加していました。

ワークショップでは、牛乳パックや米袋などの古紙を再生して作られた手芸用の紙紐「クラフトバンド」を使ってミニバッグを作製。

子どもたちの「遊びの場」と「生活の場」を作りながら様々なワークショップを開催している放課後キッズクラブのお三方と共に、大人も子どもも力を合わせてかわいいバッグを作り上げていました。

ワークショップ終了後、お子様たちが作りたてのバッグを持ってマルシェ会場をウロウロ。声をかけると嬉しそうにバッグを見せてくれました。こちらの彼女は、マルシェにてアクセサリーづくりのワークショップを行っていた「iroasobi」さん(https://www.instagram.com/satomi.tateishi/)にて作りたてのネックレスも身に付けており、1周年イベントを満喫してくれた様子でした!

未来青葉台会議 vol.14 \24歳がスナックのママ!?/ スナック水中から考える、まち・人・未来へのアクション

お子様に楽しんでいただいた後は、大人の社交場・スナックについてのイベントがスタート。16:00~17:30に、未来青葉台会議の第14弾として「24歳がスナックのママ!?スナック水中から考える、まち・人・未来へのアクション」が開催されました。東京都国立市にある”まちの社交場「スナック水中」”のママ、坂根千里さんをゲストに迎え、マネージャーの監物と共に「場づくり」、「コミュニティづくり」、「まちとの関わり」を中心としたトークが行われました。

今年4月に先代の「すなっく・せつこ」から事業継承する形でスナック水中をオープンした坂根千里さん。すなっく・せつこでアルバイトをしていた大学生が、なぜ卒業と同時にお店を継承することになったのか。坂根さんの大学時代の経験、初めてスナックを訪れたときの衝撃、20年地元の人に愛されてきたお店を継承をするにあたっての決意や不安など興味深いお話の数々に、会場だけでなくオンラインでも多くの方が耳を傾けていました。

◆スナック水中(https://www.instagram.com/snack_suichu/

坂根さん「昨今はコミュニティの形が模索されていて、コワーキングスペースを始め多様な集い方がありますよね。そういったなかでスナックがサードプレイスやコミュニティの場として長けているのは、飲む、食べる、喋る、歌う、聴くなど、場を過ごす方法がたくさんあり、滞在時間が長く濃密になることだと思います。そして常連さんがいるおかげで、ママとスタッフと常連さんでコミュニティの空気感を作ることができ、そこに合うお客さんが自然と増えていくという流れを感じています。

ただ、従来のスナックは高齢の男性向けにデザインされた場所だと感じることも多かったので、スナック水中を開業する際には、ミドル世代の男性はもちろん、若い人や女性も場違いだと感じないお店にするために様々な工夫を行いました。『まちの健やかな夜の社交場』を目指し、試行錯誤しながらお店に立っています。」

スナックで醸成されるコミュニティとコワーキングスペースで醸成されるコミュニティ。場所が持つ機能や人々が集まる目的は異なりますが、人が集い生活を豊かにする場所が持つ暖かさには共通するものがあるのかもしれませんね。

こちらのトークイベントも西海さんが素敵なグラレコを描いてくれました。

紹介しきれなかった素敵なお話がたくさんあるので、ぜひこちらのグラレコをチェックしてください!

なっさんのまちあるき占い

会場全体が賑わい見せるなか、ひときわ大盛況で入れ替わり立ち替わり皆さんが足を運んでいたのが、青葉台のまちとスプラスを繋ぐ架け橋的存在であるコミュニティビルダー・なっさんの特設ブース。

なっさんが青葉台の素敵なお店やスポットの魅力を発信している「まちなかリポート」がカード形式で展示されていました。

誰よりもまちを楽しんでいるなっさんだからこそ創れるカードは、めくる度に青葉台が好きになる、1つの作品のようになっていました。

まちなかリポート展の横で行われていたのが「まちあるき占い」。なっさんが青葉台周辺のお店で購入したコーヒー粉をその場でドリップしてくれます。

淹れたての美味しいコーヒーを片手にアンケートに答えると、回答をもとになっさんがその人にぴったりのおすすめスポットを、まちなかリポートカードの中から選んでくれるという占いです。

まちなかリポートで紹介されているのははなっさんが実際に足を運んだ場所なので、店内の様子や利用者層、おすすめの過ごし方を見ることができ、初めての場所に足を運ぶハードルがグッと下がるような気がします。

インターネットを開けば情報が溢れている時代だからこそ、顔を合わせたコミュニケーションで自分だけのおすすめを選んでもらう機会はとても貴重で、オフラインで人が集う良さを改めて感じることができる企画でした!

 1周年記念イベント大盛況!

大盛況で幕を閉じたスプラス1周年イベント。職業も年齢も働き方も暮らし方も異なる人々が出会うことで、新しい気付きや楽しみが芽生え、生活に変化が生まれていく。名前に込められた思いの通り、利用者さんや地域にとって「プラス」になる拠点として、スプラスが少しずつその芽を伸ばしていることが感じられた1日でした!

ご参加いただいた皆さん、ご来場いただいた皆さん、ありがとうございました!

 

取材・文・写真/橋本彩香